敏感肌の方が化粧品を選ぶ際の4か条(5)


今回のネタは、本来ならクローズ記事にしておいたほうがいいのかもしれません(というなら、このシリーズ全部だが・・)。

具体的な避けるべき成分名を挙げているので、それを主剤としているメーカーにとっては誹謗に当たると言われる可能性もあります。

ただ、実際に、こうした成分にトラブルを生じる方がいることは事実であり、お伝えしておいたほうがいいかなと思うわけです。

もちろんそれ以外の成分でもトラブルはあるので、平等じゃないと言われる可能性はありますが、そんなこと言ってるうちに、皮膚トラブルになっちゃう人が出てしまったら、どうするの?ということで。

とはいえ、完璧なデータベースを目指しているというわけではないので、「とりあえずこれは気をつけよう」的なざっくりした感じだとご理解ください。

ちなみに、これまでの4箇条は以下の通り

その1:(特にアレルギー性の方は)成分が多くないものを選ぶ

その2:製品の形状に注意する

その3:植物成分、エキス分の多いものを避ける

その4:代表的な避けるべき成分を把握しておく

今回は、

避けるべき具体的成分について

です。

代表的なものを列記していますが、これもあくまで個人差があり、問題なく使用できる人も多いということはご了承ください。

割とトラブルを生じやすいと言われている、また、私の経験上、実際に皮膚にトラブルを生じられた方が多い印象のある成分として

・美白成分の一部

・アンチエイジング系成分の一部

・防腐剤の一部

をご紹介させていただきます。

美白成分で気をつけること

・高濃度のビタミンC(個人差あり)。ビタミンC誘導体は、医薬部外品の場合配合濃度が決められていて、それほど高濃度になりませんが、ビタミンCエチルという誘導体は、皮膚トラブルが多いという情報があります。

・アルブチンは、意外に皮膚トラブルが多い成分として開発担当者には知られています。

化学構造中にハイドロキノン骨格を持っているからという説がありますが、そこはグレー。

ちなみに、ハイドロキノンという成分は、刺激が非常に強く、これは普通の肌の人にもお勧めできません(特に、塗ったら絶対に日光を浴びない配慮がマスト)。

・コウジ酸は高頻度でヒリヒリし赤くなることが知られています。

美白成分としてはかなり優秀な部類で、最初の刺激反応を乗り越えるとシミ改善効果が出るという説もあります(以前、皮膚科の先生の対談で読んだ記憶があります)が、日本人を含むモンゴロイドは炎症反応がメラニン生成を誘発することが知られているので、反応が出たらすぐにやめるべきだと思います。

ちなみに、敏感肌の人が美白剤を使用するなら、ビタミンC関連でも比較的マイルドと言われるビタミンCグルコシドやアスコルビルマグネシウム、または炎症防止系のトラネキサム酸あたりで、ゆっくりゆっくり改善させていくのが良いかなと。

アンチエイジング系成分で気をつけること

・レチノールなど、ビタミンA関連成分は、特に日本人に皮膚刺激が出やすいとして知られています。

・ヒドロキシ酸は刺激を感じる人が多いです。

成分名としては、サリチル酸(これはベータヒドロキシ酸。ニキビ治療系で多い)、グリコール酸、乳酸など。

なお、発酵エキス系は先に述べた植物エキスと同じで、色々な成分が入り込んでいることで注意が必要なのですが、ごく微量ですが乳酸などのヒドロキシ酸が入り込んでいて、染みるという声をよく聞きますのでご注意を。

防腐剤で気をつけること

まず、最初にお断りしておくと「防腐剤無添加」と書かれている製品は、絶対に避けたほうがいいです。

いずれ書きますが、これは「化粧品についての技術的知識がない」か「意図的に誤情報を提示している(要するに騙している)」のどちらか。

ごく一部の製品*を除くと、防腐剤は必須**の成分であり、逆に防腐されていない製品は腐ってしまう可能性が高いので、お勧めできません。

後者のケース(誤情報)では、一般には知られていない抗菌効果を持つ成分を使用しているケースがあります。

最近は、様々な成分が紹介されていますが、抗菌効果をパラベンと同レベルにすると、パラベンの方が安全性が高いという結果になるものも多いよう。

また、私が以前に見たケースではエタノールで防腐しているにもかかわらず、エタノールを「保湿成分」と記載して、「防腐剤不使用」としていたケースがありました。

まあ、もちろん、そのブランドは2年ほどで消えましたけど。

まあ、こういう困ったケースはおいといて、実際に避けるべき防腐剤は以下のような感じです。

・クロルフェネシンは、主としてヨーロッパ系の特定の化粧品会社に多く使用されている成分です。

パラベンフリーをテーマに掲げている化粧品会社の場合、これを使用するケースが多いよう。

これも個人差ですが、以外に合わない人が多いのも事実で、特に日本人には合わない確率が高いというデータがあると聞きました。

まあ、これもおもてに出てこない情報なのですが(という情報をバラしていいのか・・)

・ヒノキチオールは、随分前に某F社が、これを主として使用するという話になり、大丈夫かなあと思っていたら、やっぱりダメだったらしく、その後数年で使用しなくなったという曰く付き。

天然成分という印象や、「ひのき」という馴染みやすい名称ですが、実際には反応が出やすい成分で、注意が必要です。

・メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液という呪文のように長い成分は、今もっとも注意すべき成分の一つ。

実は、日本導入の90年代より前から危惧する声は多く、日本ではほとんど使用されていませんが、外資系のヘアケア製品では意外に見かける成分です。

この成分は、洗い流す製品にしか配合できませんが、メチルイソチアゾリノンは洗い流さない化粧品にも使用可能。

ですが、欧州でアレルギー報告が尋常じゃない報告数、レポート内容となったため、現在は使用を禁止されています。

いずれ詳しく書きますが、普通の肌の方でも絶対に避けるべき成分です。

その他、気をつけるべき成分はたくさんあるのですが、とりあえずこの辺りを抑えつつ、植物エキス・植物オイル系に気をつければ、成分的な配慮は、だいたい大丈夫かなと。

ちなみに、防腐剤は、欧米で主流の防腐剤と日本で使用しているものは大きく異なります。

海外ブランドの化粧品は、今は日本・中国での発売を見越して防腐剤の処方を組んでいますので、世界共通の処方になっている場合が多いですが、少し前までは欧米処方とアジア処方では防腐剤の種類が異なっていました。

普段使っている化粧品を海外で買う場合、この点を十分に注意されますように。

いつもの化粧品でかぶれた、みたいな話をよくよく聞いてみると、お土産でもらった製品で、そういえば、匂いも違った、みたいな話はよく聞きます。というか、匂いが違ったら、もう別の製品でしょ。

*固形石鹸、液体石鹸の多くはアルカリ性が強いため防腐剤を必要としない場合があります。

また、ヘアコンディショナー・トリートメントに入っているカチオン界面活性剤には抗菌効果があり、防腐剤が不要な場合があります。

さらに、オイル、マニキュア、パウダーなど、製剤中に水を含まない処方の場合も防腐剤が不要のものがあります。

**一回使い切りで、無菌で作っていることを理由に防腐剤不使用を言っている製品もありますが、例えば製剤中のグリセリンやBGの防腐力を使用している場合もありますが、多くはその抗菌性には疑問があります。

ということで、長い長い記事になってしまいました。おつきあいいただきありがとうございました。

かなり情報盛りだくさんの記事になっているかと思いますが、いかがでしょうか?皆様のお役に立てれば嬉しいです。


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