敏感肌の方が化粧品を選ぶ際の4か条(1)
書いているうちにやたら長い記事になってしまったので、先に、4か条だけご紹介します。
それぞれの内容については、各記事をご確認いただければと思います。
その4か条とは・・・
その1:(特にアレルギー性の方は)成分が多くないものを選ぶ。
その2:製品の形状に注意する。洗顔は「固形石鹸」、化粧水・乳液は「ディスペンサータイプ」、ジェル・クリームは「チューブタイプ」。
その3:植物成分、エキス分の多いものを避ける。
その4:代表的な避けるべき成分を把握しておく。
低刺激の共通題目「無香料」「無着色」「ノンアルコール」「紫外線吸収剤不使用」の他にも注意すべき成分を少しだけ羅列。
と、まあ、これだけ書いて、なるほど、という方はまずいないと思いますが、かといって全部網羅的に書くと、それこそ本1冊分くらいにはなりそうなので、なるべく端折って各々説明させていただきます。
そもそも、ここまで詳しく書いているのは、厳しいことを言わせていただくと、インターネットで情報が氾濫するのに伴って、「自称専門家」が増えすぎている事態を、私は危惧しているから。
非常に大雑把な情報や間違った情報も氾濫しているので、それに翻弄されている方も多いのではないかなと。いつか、大きなトラブルに発展してしまうのではないかと心配しています。
実際には、皮膚アレルギーや、様々な成分に敏感な肌の方、というのはそんなに多くありません(これもまたいずれ書きます)。
ただ、たまたま刺激の強い製品を使ってしまったか、間違った使い方をしてしまったか(例えば、シートパックを一晩中貼りっぱなしにするとか、洗顔料を泡だてずに使うとか)、体調不良などの他の原因があったか、などのケースは多いもの。
また、ニキビができやすい肌の方が、自分を敏感肌と思うケースも多いのですが、これもメカニズムがだいぶ違うので、区分けするべき内容です。
ということで、本題に入りますが、専門家(と書きながら、そういえば、私も化粧品業界に長くいて、技術・市場両面に関わって来たとはいえ、自称専門家であることは変わりないなと反省)の立場から、敏感肌の方が選ぶべき化粧品について、私が相談された時は以下の4か条を提案させていただいているというのを、ご紹介します。
ちなみに、「低刺激」を標榜している製品から選ぶ場合の条件ですので、ご了承ください。
その1:(特にアレルギー性の方は)成分が多くないものを選ぶ。
これは、誤解されやすいので先にお断りしておきますが、敏感肌を修復する目的ではなく、安全に使用できる化粧品を選ぶ際の基準として書いています。
ですので、特に炎症を起こしやすいシーズンや最近肌荒れが治らないなあ、と思ったときの緊急用に知っておくと良い基準、くらいな感じです。
さて、アレルギーや刺激は、処方そのものによって起こることもありますが、その製品に入っている特定の成分に反応していることが多いです。
ということは、なるべく少ない原材料であれば、「当たる」確率を減らすことができるという理屈です。
これはアレルギー性の反応をしやすい人には特に有効です。なので、アトピー性皮膚炎の既往がある方は、特にお勧めしています。
この時に注意しないといけないのは、表示されている成分の数と、実際に入っている成分の数とは一致しないということ。
例えば、「香料」と書かれていると1成分のように思えますが、化学物質的に分類するとだいたい200~300種類くらい入っていると思った方がいいです。
1つの化学成分だけで香りが作られているケースはほとんど、というかまず間違いなくあり得ません(香料・精油などについては後述で詳しく説明します)。
同様に、以前SK2に関する記事でも書きましたが、例えば「酵母エキス」の中にも、様々なアミノ酸やたんぱく質、有機酸などが含まれています。
オイル系もしかり。例えばココナッツオイルなどは、産地、製造方法などでも内容が大きく異なりますし、オリーブオイルの中には数種類の脂肪酸とポリフェノール類など様々な成分が含まれています。
そして、これらは、ある程度の基準はあれど、全く同じ成分構成というものはほとんどありません。つまり未知数の成分が多く含まれているということ。
ですので「エキス」「○○油」と書いてある成分が入っているものは要注意とお伝えしています。私が相談された場合は、なるべくそういった成分は避けるように、アドバイスしています。
ちなみに、花王のキュレル(近いうちに解析します)は「乾燥した肌は敏感になりやすいので、これを改善することで敏感肌からの脱却を目指す」といったテーマで作られています。
乾燥性敏感肌を考えたキュレル
花王キュレルは、肌の必須成分「セラミド」の働きを守り補う、乾燥性敏感肌を考えたスキンケアです。まずは、サンプルでお試しください。
しかし、こうした「積極的に敏感肌改善を目指す」製品とは反対に、例えば皮膚科などでよく見かけるNOVのように、成分を厳選することで「当たり確率を減らす」というアプローチの製品も存在します。
どちらのアプローチが良いというのではなくて、その時の肌の状態でどちらを選ぶか決めれば良いと思いますが、私は後者(当たる確率の少ない製品)を一つはキープしておくと良いと思っています。
病気の時のお粥みたいなものでしょうか。これだったら安心、という製品が一つあると、他のものへのチャレンジもできるというものかなと。
ということで続きます。
ちなみに、シンプルケア代表、ノブ2フェイスローション(2はローマ数字表記。)全成分が防腐剤やPH調整剤を含めても10種類という漢らしい処方です。
ちなみにノブには3というシリーズもありますが、こちらはもう少し複雑な処方になっています。
アトピー アルコール アレルギー オイル ケア シャンプー スキンケア デメリット トラブル ニキビ バリア機能 ビタミンC マスク メリット 乾燥 乾燥肌 入浴 分類 刺激 化粧品 化粧品開発裏話 医薬部外品 対策 成分 技術者 敏感肌 油 皮脂 皮膚 皺 石鹸 秘密 糖化 美容液 肌 肌荒れ 脂 血流 角質 角質層 誘導体 選び方 酸化 防腐剤 風呂