シワについて その2「小ジワの原因と対策」


私の勝手な分類で

1)ちりめんジワ
2)小ジワ
3)大ジワ
4)たるみジワ
5)筋肉ジワ

に分けて説明する今回が第二回。

2)小ジワ

実は、ここからが、いわゆる「シワ」です。人によって違いますが、ちりめんジワは「乾燥の弊害」とまとめられていて、シワとして扱われない場合が多いもの。ただ、コーセーが以前にフレグランスジャーナル(日本の化粧品開発専門誌)に発表していた論文によると、ちりめんジワ(正確には角質層の乱れや角質肥厚)が、小じわ、大ジワの原因になる、というので油断はできません。

さて

ここでは小じわと大ジワを分けていますが、どこが大きく異なるかというと、小じわは「表皮」、大ジワは「真皮」にかかわるという点が異なります。小じわまでは、乾燥が主たる原因ですが、大ジワ以降は真皮層のコラーゲンや、もっと下の層の問題に関わるので、原因が少し異なるわけです。まあ、重複するところもあるんだけど。

あ、ちなみに、この分類は便宜的にしているもので、すべての人がこのような分類をしているわけではないので念のため。

ということで、小じわ。

乾燥小じわとも言うように、主として乾燥が原因で生じます。というか、乾燥の進んだ形態と言ってもいいかもしれません。

「ちりめんジワ」ができる理由に、角質層の乱れについてお話ししました。

角質細胞は、他の細胞より平たく、面積が大きい細胞です。そのため、重ならずに横に並んでしまうと、面積が足りず、お互いに満員電車の押し合い見たいな感じになります。平面で足りないので、ちょっと隆起して凸になり、肌の平面状態を失わせてしまうのが、ちりめんじわの大きな原因だったわけですが、上に行かずに、下に向かって、つまり凹になり、それがひどい状態になったのが、小じわの発生メカニズム。ちなみに、ほかの説明もありますが、個人的に一番しっくりきたのがこれでした。

ちなみに、他の説明というのは、表皮の保湿に関わるヒアルロン酸等の減少や、慢性炎症による細胞の劣化などなど。その辺も重要な要素ではありますが、とりあえず今回は乾燥による小じわを中心にお話しします。

さて

若いときは、肌にハリがあり、多少の凹みも押し返していたわけですが、弾力が不足したり、表皮の細胞間の充填成分(正しくは細胞外マトリックス)が減ってきたりすることで、押し戻せなくなってきて、結果シワとして刻まれてしまう、というのが小じわのメカニズム。

そんな小じわの対策は、基本的にちりめんジワと同じような保湿とピーリングが有効ですが、ピーリングがわりに効果を発揮するなという印象があります。

角質細胞が積み重なり、押し合いへし合いした結果としてくぼみが生じているのであれば、まずはその混雑緩和のために、古いのにへばりついている角質細胞を引きはがしてしまおうというのが概念。男性は特に角質肥厚は生じやすいといわれるので、これは特に有効だと思います。

マッサージなど、物理的なピーリングの方が、作用のストップをかけやすいなど、様々な意味で安全だし、おすすめなのですが、このあたりまで角質肥厚が進むと、無謀なマッサージは、むしろ肌を傷つけてしまう場合があります。スクラブの入ったマッサージクリームなどを使うわけですが、潤いをチャージして肌をほぐしておかないと、効果を発揮できません。肌のごわつきが気になる、という人は、まずはがっつり保湿してから、暖かい場所(たとえば、湯船に浸かりながらとか)で実行していただきたいです。

古い角質を取り去るためのマッサージにはいくつかコツがあります。

まず、皮膚の薄い部分はこすりすぎないこと。スクラブ入りで実践するなら、目の周り、口元、頬骨の上、は避けるべきです。このあたりは、スクラブなしのオイルやバームなどで軽くこするくらいで十分。逆に、Tゾーン、Uゾーンは丁寧に。

製品を選ぶ際にも注意が必要。オーガニック系、ナチュラル系では、入っているスクラブが処理されておらず、角がとられてないタイプのスクラブが多いもの。個人的にはPE(ポリエチレン)のスクラブが柔らかくて好きだったのですが、残念ながら環境問題で使用禁止になってしまいました。

これの代替はシリカビーズ系ですが、粒子が丸くて刺激が少ないのは良いのですが、やや硬いのが難点。肌をこすらず、なでるようにするのが肌を傷つけないコツです。(肌をこすることをスクラビングといい、これがスクラブ(つぶつぶのこと)の語源なので、矛盾を感じますが・・)

なお、PEが規制になったのが影響しているのか、最近では例えばアプリコット核などでも角を取って、丸くした原料が出てきているようです。残念ながら製品の成分名では見分けがつかないので、裏表示をじっくり見るとかするしかないのですが。

コーセー プレディア プティメール ファンゴ フェイシャルスクラブ ウォッシュ 100g

ファンゴ フェイシャルスクラブ ウォッシュ|PETITE MER プティメール|Predia

1品で、角質ケアと洗顔を同時に。毛穴も目立たないつるんと肌にみちびく、天然泥のスクラブウォッシュ。


海藻成分系は、比較的マイルドでお勧めしやすい部類かと思います。美肌効果も高いですしね。

SKINFOOD(スキンフード) ブラックシュガーパーフェクトファーストエッセンシャルスクラブ2X 210g ゴマージュ・ピーリング

シュガースクラブはこの数年でずいぶん市場で見かけるようになってきました。肌に塗布した瞬間は、かなりザラザラするので使い方を間違えないようにする必要がありますが、慣れるとなかなか快感。保湿作用もあるので、乾燥肌の人でも使いやすいようです。

ナイアードガスール固形 500g【ガッスール 毛穴 洗顔 パック】


私の勝手な記憶では10数年に一度復活する印象のあるガッスール。いわゆるクレイ系で、これは自分で練って使うタイプで、水で練ると乾燥するのがまあ、欠点と言えば欠点かも。あと、意外と粒子が鋭利なので、こすりすぎには要注意。ただ、肌はすっきりしますし、毛穴対策としてもかなり優秀。

ウーノ ホイップウォッシュ スクラブ(130g)【ウーノ(uno)】

https://www.shiseido.co.jp/sw/c/products/SWFG070410.seam?shohin_pl_c_cd=736001&online_shohin_ctlg_kbn=1


男性用だと、ウーノ、ビオレ、オキシーあたりがスクラブ洗顔料を出していて、意外に使いやすく、肌にもそんなに負担がかかりません。ただ、洗浄力はかなり高めに作られているので、乾燥肌にお勧めできるかというとちょっと厳しい感じ。このあたりは、保湿ケアと上手にバランスをとる必要がある感じですね。

なお、あまりお勧めはしませんが、私が、たま~~にやっていることとして、「AHAローションパック+アルカリ高めの洗顔料」という荒業もあります。この話も長くなるので、別建てでお話ししますので、今回はすみません、割愛します(無限に長くなるので・・・)

角質対策以外で、小じわ対策としておすすめなのは、ヒアルロン酸やコンドロイチンなどの補充と、アクアポリン活性化。すみません、専門用語ですね。

表皮細胞はヒアルロン酸で満たされて潤いを保っているのですが、加齢に従いヒアルロン酸を生産する能力が低下することが知られています。資生堂は表皮幹細胞の働きの低下に着目して、これを改善する成分として「ムクロジ」「ウコン」などを上げていますが、アプローチは複数あります。ざっくり説明すると

・外から小分子のヒアルロン酸を補う
・サプリメントで生産を補助する
・ヒアルロン酸を分解する酵素を阻害する

【森下仁丹公式】ヘルスエイド ヒアルロン酸 30日分(240粒)機能性表示食品 ヒアルロン酸 サプリ サプリメント ヘルスエイド

それ以外で小じわ対策としておすすめなのは、ヒアルロン酸やコンドロイチンなどの補充と、アクアポリン活性化。すみません、専門用語ですね。

表皮細胞はヒアルロン酸で満たされて潤いを保っているのですが、加齢に従いヒアルロン酸を生産する能力が低下することが知られています。資生堂は表皮幹細胞の働きの低下に着目して、これを改善する成分として「ムクロジ」「ウコン」などを上げていますが、アプローチは複数あります。ざっくり説明すると

・外から小分子のヒアルロン酸を補う
・サプリメントで生産を補助する
・ヒアルロン酸を分解する酵素を阻害する

という3点。詳しく説明すると、また長くなるので割愛しますが

・外から小分子のヒアルロン酸を補う
これにはアセチルヒアルロン酸や加水分解ヒアルロン酸といった成分が有効。とはいえ、そんなにガンガン浸透するものではないので、これは気長にケアするしかないですね。同時に、ヒアルロン酸産生を補助する成分配合の化粧品というのもありますが、明確な効果のある成分として知られているのはレチノール系なので、肌の弱い人には要注意化もしれません。その他ではプロテオグリカンなどもヒアルロン酸産生促進作用があり、こちらもお勧めですが、分子量が大きいので、皮膚に入るのか?がちょっと疑問。

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ドクターシーラボ オールインワン 美容液 アクアコラーゲンゲル エンリッチリフトEX 50g

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単品で取るなら原液もよいかなと。既存のスキンケアに一品足すだけなので、いろいろ負担が無いよと。シーラボのジェルは、おなじみ満艦飾処方で、いろいろ入ってて、まあ、とりあえず肌に合うなら取っといて損はないよという感じ。

・サプリメントで生産を補助する
個人的におすすめなのはこちら。有名どころは、キューピーのその名もずばりのヒアロモイスチャーですが、探せばヒアルロン酸系の機能性表示食品は多いもの。また、同じく多糖類のグルコサミンにも同様の作用がありますし、塗るほうで挙げたプロテオグリカンをサプリメントで摂取するのも有効のようです。

キユーピー ヒアロモイスチャー240 320mg×120粒

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プロテオグリカンだと、ひざ関連で機能性になってて、皮膚に効くとは書かれていないのが残念なところ。

・ヒアルロン酸を分解する酵素を阻害する
皮膚にはヒアルロン酸を阻害する酵素もあり、これによって古いヒアルロン酸を分解して、新しいものに入れ替えていくわけですが、年齢とともに、新しいのを作る能力は衰えていくので、結果的に分解に生産が追い付かない事態になってしまう場合があり、これによってヒアルロン酸量が減るという現象が生じます。これを阻害する成分というのも研究されていて、ローズマリー、レモンバーム、レスベラトロール、ベニフウロウなどなど。割とよく聞く名前の成分が多い感じですが、意外にすごいことやってくれてたりするわけです。

ちなみに資生堂が提唱する皮膚幹細胞活性化とかを使ってヒアルロン酸ケアをしている製品の代表はこちら(もちろん表向きにはそんなことは言ってない)

エリクシール エンリッチドセラム CB 美容液 ハリ エイジングケア 保湿(35ml)【エリクシール シュペリエル(ELIXIR SUPERIEUR)】

いつも思うのだけど、資生堂さんは、ほんと真面目に研究やってて、こういう優れた商品を比較的安く出しているなと。なぜか評価はあまり高くないというのが残念。エリクシールはコスパ的にかなり強いブランドと思うのです。

https://www.shiseido.co.jp/sw/c/products/SWFG070410.seam?shohin_pl_c_cd=691002&online_shohin_ctlg_kbn=1

ヒアルロン酸以外で注目するとすれば、アクアポリンかなと。いや、もちろんほかにも細胞老化とか慢性微小炎症とかオートファジーとか、考えるべき点はたくさんあるのですが、まあ、その辺は置いといて。とはいえ、アクアポリンも20年くらい前にノーベル賞とったくらいの研究で、これまた突き詰めるときりがないのですが、ザクロとかスイカの成分が効果的のよう。

化粧品の効能効果で言える「小じわを目立たなくする」という表現が「乾燥による」という注釈を必要としているように、小じわと乾燥の関係性は明確。ただ、乾燥というとどうしても「角質層」に着目しがちなのですが、表皮のケアもしないとね、というお話です。

これらの他にも、基底膜の強化とかもあるのですけど、とにかくキリがないのでこの辺で。



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