乾燥肌を見分けるための10の質問(後編)


乾燥肌を大雑把に4タイプに分けるお話のフォロー的な記事として、それをどうやって見分けるか、というお話をさらっと説明する予定が、思わず長くなってしまって2回に分けた2回目。相変わらず、説明がくどくてすみません。

ちなみに4つのタイプというのは
①皮脂分泌が少ない
②皮膚内の保湿因子を作る能力が低い
③皮膚もしくは角質層が薄い
④角質が厚すぎる

乾燥肌を4タイプに分類してみる 前編

https://mooncake.jp/2021/11/15/dryskin_3/

乾燥肌を4タイプに分類してみる 後編

https://mooncake.jp/2021/11/15/dryskin_4/

それぞれの特徴は、上記のリンクからお読みください。

前回のブログでは、この4タイプを見分けるために、以下のような質問をします、というお話をしています。そして、5)までで息切れしています(笑

1)10代でニキビには悩みましたか?
2)敏感肌用の固形石鹸で洗顔してもツッパリ感を感じますか?
3)子供の頃、耳の付け根が切れたりしたことはありませんか?
4)肘の内側、膝の内側がガサガサしたり、痒くなったりしませんか?
5)首、わきの下、脇腹が乾燥して痒くなったりしませんか?
6)色白ですか?肌のキメは細かいですか?
7)子供の頃にも、皮膚トラブルがひどく、乾燥やかゆみに悩まされていませんでしたか?
8)化粧水をつけるとピリピリすることがありませんか?
9)足のスネが乾燥して粉を吹いたようになったり、皮がめくれたりしませんか?
10)かかとが厚くなり、割れたりしていませんか?

1)〜5)についての解説は、前回のブログをご参照いただくとして

ここからは、少し深い、肌タイプを分析した後に、スキンケアをお勧めする際に、気をつけるべき点も含んだ内容となります。

まず、以下の2つの質問から。

6)色白ですか?肌のキメは細かいですか?
7)子供の頃にも、皮膚トラブルがひどく、乾燥やかゆみに悩まされていませんでしたか?

この二つは「③皮膚もしくは角質層が薄い」人によく見られる特徴です。実は「②皮膚内の保湿因子を作る能力が低い」と共通する点も多いのですが、こちらの方が、悩みは深刻なのではないかな、と思います。

というのも、このタイプだと
8)化粧水をつけるとピリピリすることがありませんか?
という質問がyesになるケースが多いのです。いわゆる敏感肌というやつですね。

肌タイプの②と③の特徴を同時に持っているケースと、どちらかだけというケースが存在します。多くは重複しているのですが、稀にどちらかだけ、という人が見られます。

つまり、皮膚のバリア機能が低くて、乾燥しやすい肌なのだけど、どんなスキンケアを使っても大丈夫という人と、刺激の強いスキンケアは肌が赤くなったり、ピリピリしたりするのに、水分量や皮膚のバリア機能を見てみると、さほど低くない、というケース。

ただ、後者の場合でも、基本的に皮膚は薄いので、ちょっとしたきっかけで乾燥してしまう。特に、冬場は、空気が乾燥するので、薄いバリアでは守りきれない、ということが生じます。

この辺の見極めを間違えて、スキンケア製品を紹介すると、効果がないばかりか、スキントラブルを招いて、赤くなったり、乾燥がさらにひどくなってしまうこともあるので、注意が必要です。この辺りのお話は、また別の機会に詳しく。

さて、最後の2つの質問は、ちょっとトリッキーかもしれません。

9)足のスネが乾燥して粉を吹いたようになったり、皮がめくれたりしませんか?

という質問は、実は判断が難しい質問です。そして、Yesと返ってくることが多い質問でもあります。

なんで判断が難しいかというと、実は乾燥肌の4タイプ全てに当てはまる上、その他の理由もあるから。ですので、この質問でYesをもらったら、予備的な質問と、人間観察が必要となります。乾燥肌であることは、おそらく間違いないとおもいますが、原因が人によってまちまちなのです。

皮脂分泌が少ない方が、長湯が好きだったり、ボディソープなどの選択に無頓着で洗浄力の強すぎるもので体を洗っている場合などは、真っ先にこの部分が乾燥し、冬場などには粉をふいた状態になったりします。ただ、この場合は、少し気をつければ、そこまでひどい状態にはなりません。

一方で、皮膚のバリア機能が低い人の場合は、結構気をつけていてもなってしまいがち。

非常に洗浄力の弱い石けんなどで洗っていても、ほぼ一年中乾燥してしまうという話をよく聞きます。

一方で、皮膚が薄いことが原因の場合は、気をつけていれば、比較的防げるよう。また、使用するスキンケアの相性が異なるように思います。

ですので、この質問をするときには
・お風呂の習慣について:長湯か、シャワーだけか。シャワーだけなのに、この現象が生じている場合、乾燥度合いが激しいと見ます。
・洗い方について:タオル、素手、ブラシなど。タオルやブラシでゴシゴシ洗っていて、乾燥肌です、と言いはる人がいて、こういう場合は、指導がしやすくてラクです(笑)
・使っている洗浄剤について:これも洗浄力の強い製品を使っているか、敏感肌用とかを使用しているか、はたまた洗わないでお湯で流すだけなのか、など。

について、尋ねるようにしています。

ちなみに、乾燥肌のタイプ④である「角質が厚すぎる」というケースでも、同様に脛部分の乾燥はおきますが、粉を吹くというよりも、皮膚が割れ、うろこ状になってしまう場合が多いように思います。

特に年配の方に多いのですが、

10)かかとが厚くなり、割れたりしていませんか?

とセットの場合が多いです。

これなどは、角質肥厚による乾燥の典型例なのですが、私の見ている限りでは、踵→脛→膝・肘と言った感じで生じているように思います。

踵の肥厚は厄介で、これはなかなか解消されません。

踵を削ったりする行為も、結局はさらに厚くするだけという印象を受けます。これについても、改めて対策のご紹介をしたいと思います。

とまあ、こんな感じのカウンセリングを、普段やっているんですというご紹介だったわけですが、少しはお役に立ちましたでしょうか?

実際には、この後に、洗浄剤や保湿剤、入浴剤などを、どんな製品を使っているか、どんな使い方をしているかを尋ね、オススメのスキンケア製品やその使い方を指導したりするのですが。

乾燥肌の悩みは、割と気軽に質問されることが多いのですが、実は奥が深く、このような気遣いを必要とします。と、私は思っています。

が、世の中のアドバイスを見ていると、乾燥肌のタイプ分けもせず、かなり強引な指導をしているケースも見受けられます。それは、ちょっと危険だなと思って、こんなくどい記事を描いてみたわけです。

ちなみに、私はこの10の質問の、どれも当てはまりません。ほんと、化粧品の仕事をしているありがたみのない身体です。とほほ。

 


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