この皮膚トラブルはアレルギー?と思ったときに確認していただきたい5項目(1)


前回の記事で、アレルギーと皮膚刺激は違うものだよ、というお話をさせていただきました。

どっちも皮膚トラブルを生じるものだし、要は避ければいいんでしょ?という声も聞かれますが(実際、営業担当に言われたことがあります)、まあ確かにそうではあるのですが・・・

皮膚刺激を起こす成分が濃度やPH、使用方法によっては皮膚刺激を生じない場合があるのに対して、アレルギー原因物質の場合は、非常に低濃度でも反応が出てしまうため、注意の仕方は異なると思います。

また、前回もちょろっと触れましたが、アレルギーの場合、それが皮膚だけで治らず、全身に影響を及ぼすということがわかってきて、これの重要度が増しているのです。研究は常に進化しています。

ちなみに、私が皮膚トラブルを生じた方からご相談を受けた場合は、何よりもまず、皮膚科への受診をお勧めします。

これは、絶対の鉄則で、これを押さえた上で、あくまで一般論としてこういうケースがあった、ということでの症状の分析と対策のお勧めをご紹介します。

この時、まず最初に確認するのが、そのトラブルが、どのような要因によって生じたものか、ということです。

皮膚トラブルを起こされた方の場合、まず最初に確認すべき重大なポイントがあります。

それは「そのトラブル(例えば、肌が赤くなった、とか痒くなったとか)の原因が、本当に化粧品にあるのか?」ということです。

なぜなら、体調不良や食べ合わせなどの体内的な問題、紫外線や乾燥などの外的環境の問題によっても似たような症状が現れることがあります。

また、飲んでいる薬との相性、寝具・衣類の影響、ハウスダストや花粉、PM2.5などの大気汚染物質などの影響もあります。

この辺りも追求すると長いので、近々まとめるとして、まずは本題のアレルギーの話。

ちなみに、これはあくまで私が通常対応する方法ということでご了承ください。

その皮膚トラブルがアレルギーによるものなのか、はたまた刺激に起因するものなのか、については、以下の5つの確認をします。

①皮膚トラブルの内容と、使用してからトラブルを生じるまでに要した時間。

②使用された製品。

③使用状況(時間、季節、使用後の行動など)。

④過去に似たようなトラブルを経験しているかどうか。

⑤アレルギー体質かどうか。

この5項目を確認しながら「その製品の品質に問題はなかったか(例えば、腐敗しているなどの可能性はないか)」と「成分にリスクあるものが含まれていないか」について確認します。

いきなり内容成分を見ながら、「ああ、パラベンが入っているので、それでアレルギーを起こしたんですね」みたいな判断をしてしまうと、大間違いな可能性があります。

先の記事で書いたような、紫外線アレルギーだったというケースはわかりやすい方で、実は洗顔料を変えたことでトラブルが生じていた、というようなケースは多いものです。

それでは、そろそろ十分くどくなってきたので、それぞれの質問の意味と目的についてご説明します。

①皮膚トラブルの内容と、使用してからトラブルを生じるまでに要した時間。

多くの方は「化粧品が合わなくて・・・」と、ざっくりした表現で問い合わせされます。

ここでもう一歩踏み込んで、「合わないというのは、使用した時にヒリヒリしたとか、使用後に赤くなったとか、痒くなったとかですか?」と症状の確認をします。

また、さらに踏み込んで、その反応が出たのが、使用してからすぐなのか、時間をおいてなのか、についても確認します。

皮膚刺激の場合、つけた途端にヒリヒリ・ピリピリしたり、ひどい場合は痛みを感じます。

ケミカルピーリングなどで使用されるグリコール酸は、人によって反応の違う成分ですが、敏感な方では5%濃度くらいでも平手打ちをされ続けているくらいの痛みを感じるのだそうです。

ちなみに、私は30%でもケロリンで、これはこれで相当珍しいと言われました。

そして、そんな私でも90年代終わり頃にあった某日焼け止めの専用クレンジングは、めちゃめちゃヒリヒリしましたので、やはり個人差というのはあるのでしょう。(ちなみに、その製品は、刺激が強いので有名でしたが、数年は売ってあったので、使える人はいたのでしょう。)

一方で、アレルギーの場合は、夜につけたときはなんともなかったが、寝ている間に痒くなってしまい、朝になったら腫れていた、なんて場合に可能性が高いです。

本当にざっくりですが、

・つけた途端に「染みる」「ヒリヒリ・ピリピリする」「痛みがある」などの場合は刺激の場合が多い。

・「痒くなる」「腫れる」「ただれる(ごく稀ですが、酷い反応の場合にあります)」はアレルギーの可能性が高い。この場合は、上記の反応までに要した時間を確認する。

・「赤くなる」「違和感がある」の場合は、反応に要した時間を確認。使用直後なら皮膚刺激、時間がかかっているならアレルギーの可能性高い。

という感じで見ています。

残り4項目ですが、だいぶ長くなってきましたので、この辺で、次回に続きます・・。


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