この皮膚トラブルはアレルギー?と思ったときに確認していただきたい5項目(3)


本連載では、その皮膚トラブルがアレルギーによるものなのか、はたまた刺激に起因するものなのか、について5つの確認事項としてまとめています。

①皮膚トラブルの内容と、使用してからトラブルを生じるまでに要した時間。

②使用された製品。

③使用状況(時間、季節、使用後の行動など)。

④過去に似たようなトラブルを経験しているかどうか。

⑤アレルギー体質かどうか。

前回、前々回と①〜③について説明しています。今回は④と⑤について。

④過去に似たようなトラブルを経験しているかどうか。

皮膚トラブルがアレルギーによって生じている場合は、何らかの原因物質がその化粧品に配合されていると考えるのが妥当です。

そして、その場合は、その成分が入っている化粧品全てで同様のトラブルを繰り返している可能性が高いです。

複数の化粧品で、同様のトラブルを生じている場合は、それらの化粧品の共通成分を探るという方法で、ご自身のアレルギーを知るという方法があります。

皮膚刺激の場合、製品の種類や配合状況によっては症状が出ない場合があります。

例えば、ヒドロキシ酸は、皮膚刺激を出しやすい成分として知られています(例えばグリコール酸やヒドロキシ酸など)が、これは酸性(PH3くらいと言われています)での話で、中性からアルカリ性ではあまり刺激は出にくいです。

また、先に挙げたビタミンCなどは、濃度に依存するので、低濃度なら刺激は出ないことが多いです。

ところが、アレルギーだと、ごく少量でも反応が出るので、化粧品の種類によって反応しない、といったことが生じにくいもの。

逆にいうと、そうした物質は早めに特定して、避けるようにするのが重要です。

最も、(何度も例に出して申し訳ありませんが)パラベンなどの防腐剤は、高頻度で配合されているので、共通成分として上がってきやすいのが難点。

日本で使用されているものは濃度が低いですが、これも製品によってまちまちなので、本当に避けるべき成分かどうかの見分けが困難になります。

もっとも、パラベンによるアレルギーは非常に稀という報告もあります(詳細は後日書きます)ので、ほかに疑い用がない場合に候補に挙げるのが良いかと思いますが。

⑤アレルギー体質かどうか。

化粧品の成分にアレルギー反応を示される方の多くは、他のアレルギーも持っていることが多いです。

私がよくお聞きするのは、子供の時にアトピーと診断されなかったか、です。

そのほかにも喘息、金属アレルギーや花粉症は確認します。

これらによって、その皮膚トラブルがアレルギー性の反応なのか、そうではないのかについて、判断のヒントになります。

ほかに、全くアレルギーがないのに、突然パラベンアレルギー、なんていう人は本当に稀です。

なお、兄弟がいる場合は、そちらの状況も確認した方がいいです。

家族の中に、喘息、アトピー性皮膚炎、何らかのアレルギーを持っている方がいらっしゃる場合、それに類するアレルギー反応が皮膚に出てくるケースがあります。

私の知人で、アルコールを全く受け付けないという方がいらっしゃいましたが、その方は、アルコールの入っている化粧品は全てN Gでした。

家族みんながお酒を飲めない体質らしく、アルコールアレルギーの可能性が高いよう。

こういう方の場合は、アルコールの摂取が命に関わるので、十分な注意が必要です。

とまあ、そんなこんなで、長々と説明してしまいましたが、何ともくどい説明で申し訳ありません。

自分の肌が敏感と感じている方は、新しい製品を使用する際に、非常に注意を払われています。

アンチエイジングや美白など機能性の高い製品は、特に心配されます。

その心配は非常に正しいと思いますが、一方で、自分はこの成分が合わない、と決めつけて、その成分が入っている製品を全て否定してしまうと、使えるはずの化粧品も使えなくなってしまうことがあります。

それは、せっかくのチャンスを逃すようなものだと、私は思います。

化粧品業界にいる立場としては、自分に合った化粧品を見つけて、気持ちよく使っていただくために、多くの化粧品とであっていただきたいと思います。

そのためにも、間違った判断で間口を狭くするようなことは、避けていただきたいなと思うわけです。


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