目の周りのケアを考える<基礎編>


冬だからということもあるのだと思うのですが、なんだか同時期に目の周りのケアにはどんな製品が良いのか?という質問を複数の方から公私ともに頂いた最近の私です。

直接聞かれても難しいのですが、メールとかメッセージとかでいただくと、回答が困るのがこの種の質問。

まあ、答えがいがあるとも言えるのですが、なかなか大変です。というのも目の周りの悩みというのは、人によってまちまちだから。

ざっと挙げるだけでも

1)目の周りの皮膚の乾燥

2)目の周りの皮膚のくすみ

3)目の下のクマ

4)目の周りの皮膚のタルミ

5)目の下のシワ(いわゆるゴルゴライン)

6)目尻のシワ(いわゆるカラスの足跡)

という具合。

複数が絡まりあっている場合が多いのですが、それぞれに対応は異なります。

また、ここに体質的な敏感肌とか乾燥肌とか、肌が薄いとか白いとかという基本的なものがあり、年齢という要素が入り、日常生活の要素が入り、となると、基本的にオーダーメイドに近づいてしまうという具合。

ちなみに日常生活というのは、どんなメイクをしているか、どんなクレンジングを使っているかというメイク絡みのことと、室内で仕事をしているか、屋外で仕事をしているか、のような生活環境という要素だったりします。

とはいえ、そんなことをくどくど言っていると何も言えなくなってしまうので、ここではごくごく一般的なレベルでお話ししたいと思います。

ということで、話を戻しますが、目の周りのトラブルを考える場合、まずは目の周りの皮膚の特殊性を知る必要があります。だんだんスキンケア情報というより皮膚科学の講義のようになってきましたが、意外に知らない人がいて、知らないがために間違ったスキンケアをやってしまう人も多いので。

ということで、十分ご存知という方は、ここから先は読み飛ばしてください。

目の周りの皮膚には、以下のような特徴があります。

1)皮膚が薄い

2)皮脂腺の数が少ない

3)よく動く

「1)皮膚が薄い」はよく知られている話です。

顔の中で最も薄く、そのため乾燥しやすいと同時に、外的刺激を受けやすい部位として知られています。

皮膚の薄さは、同時にバリア機能の弱さにつながり、そのため刺激を受けやすいと同時に、内部の水分を失いやすいという特徴もあり、乾燥しやすい部位として知られています。

化粧品業界では、目の周りを特殊な部位と考えていて、他の製品とは分けて考えます。

パック製品などの使用法を見ると「目の周りを避けて」という表示をよく見かけますが、これなんかは目の周りの皮膚の刺激を受けやすい性質や薄いという性質を踏まえて書かれています。

昔の製品や、海外の製品でケミカルピーリング的な要素を含んだ製品では、顔全体に使った結果、目の周りだけ腫れてしまったというような話をよく聞きますが、これも当然のこと。

ですので、目の周り用の製品は、他の製品に比べて安全性への配慮をしっかりするようになっています。なっているはずです・・・・。

最近の化粧品を見ていると、これ大丈夫かな?というものがチラホラ見られるのが実際のところで、気になっているのが正直なところ。

例えば、目の周りのシワ対策でレチノール系の成分を配合したものとかは、本当に大丈夫かなと心配になってしまいます。

「2)皮脂腺の数が少ない」は意外に知られていない事実かもしれません。

実際、この部位は、皮脂が出にくいことで知られています。これが乾燥の原因の一つ、というか大きな要素であることも事実です。

アイメイクを石鹸で落としてしまうという猛者がいるようですが、石鹸は皮脂を洗い流す力が強く、また基本アルカリ性なので、あまりお勧めできません。

皮脂が出ないということは、皮膚のpHを酸性に戻す力も弱いということなので、アイメイクだけは専用のクレンジングなどを使用したほうがいいと思います。

「3)よく動く」という話をすると、なんのことだ?という顔をされることが多いですが、実はこれも大事な特徴です。

人は通常1分間に20回前後の瞬きをすると言われています。これは仮に1日8時間睡眠をとっていると仮定すると、1日に2万回程度の瞬きをしていることになり、その労力が全て目の周りの筋肉によるものなわけです。

そのほかにも、びっくりして目を見開く、目をこらす、ぎゅっと目を瞑るなどなど、目は様々な動きをしています。

これらが皮膚の表面に与える影響は大きく、目尻のシワを代表として、様々な老化症状の元になっていると言われています。

日本人は欧米人に比べて老けにくいという説がありますが、これが目を代表とする顔のパーツの大きさのせいだという人がいます。

大きな目だと、瞬きをする際の瞼の移動距離が長いため、疲弊しやすいというのです。

ぱっちりした目の美人ほど、目の周りのシワが出やすいという説もあります。もちろん個人差はありますので、断定はできませんが、影響はあるのかもしれません。

私の友人のメイクアップアーティストさんが言っていたのですが、日本を代表する吉永小百合さんは、年齢を経ても若々しく美しいが、それは彼女のキャラクターとして、上品に微笑んだり、アンニュイに悩んだりという演技が多く、ガハハ笑いしたり、表情を極端に作ったりということを求められなかったからだと。

まあ、彼女くらいになると、それ以上にエステなどのメンテナンスがしっかりしていると思うので、表情だけの問題ではないと思いますが・・・。

ちなみに、だったら無表情にしていたほうが若さを保てるのか?というと、別の説では表情を作ることをやめてしまうと、顔筋が衰え、顔のたるみに繋がるとのこと。

笑ってもだめ、笑わなくてもだめ、という話ですが、まあ上品に笑えばいいってことね、という話なのですが、ちょっとくらいシワできても、ガハガハ笑う人生がいいなと、私なんかは思ってしまうのですけどね。

とまあ、相変わらず脱線したところで、こうした特徴が、目の周りの悩みの原因になっているということを踏まえつつ、次回から各悩みについて見ていきながら、それに対する有効な対策について書いていきたいと思います。

ちなみに、先日「詳しい解説はいいから、とりあえず、なんかオススメがあるとしたらどれ?」と聞かれたので、ポーラのアイゾーンクリームをご紹介しておきました。

https://net.pola.co.jp/ec/pro/disp/1/1065

26gで2万円弱という価格は、うおお、という価格ですが、正直、目の周りのクリームで26gは量が相当なもの。

うっかりすると半年くらい使えるんじゃないかなという量です。

他の製品をうんとチープにまとめておいて、一点集中でこういうのを入れるのもアリかなと。


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