大気汚染のこと~丁寧な洗顔でトラブル防止
頻繁にメールマガジンが来る通称C&T。同じタイトルの日本の雑誌があるので、紛らわしいのですが、化粧品研究者の間でC&Tと言えば、米国Cosmetics and toiletries でしょう(たぶん)。
英語なので、いつもななめ読みなのですが、けっこうおもしろいネタがあって、ついつい仕事中に読みふけってしまいます。
今回、気になったネタはこちら「Rising Temperatures for the Anti-Pollution Market」
(気温の上昇と大気汚染対策マーケット)←翻訳ややいい加減です。
本文はこちら
Rising Temperatures for the Anti-Pollution Market | Cosmetics & Toiletries
What does global warming mean for personal care? As air pollution climbs worldwide, targeted personal care products are becoming more desirable to prevent prem…
ざっくり要約すると、地球温暖化にともなって、大気汚染対策化粧品も注目されている。特にアジアでは。というような話(ざっくりすぎ)。まあ、そういう社会的な話はおいといて。
この10年間の間に、大気汚染対策の化粧品は、かなり充実してきているのが事実なのですが、いまいち日本では普及していないのも事実。というか、謎。アジアでは、相変わらず伸びているようで、そろそろメイクアップ製品なんかでは、入っていて当たり前、みたいになりつつあるようです。
大気汚染物質が肌に着くと、汚いな~、くらいなのが普通の感覚なのですが、例えばPM2.5は肌に炎症を起こし、その炎症が慢性化し、慢性炎症から肌老化が進む、というメカニズムを指摘されていたりして、けっこう危ない話になってきています。
慢性炎症の話は、老化問題で大きなトピックなので、これはまた改めるとして、大気汚染対策。
大雑把に、以下の3タイプがあるように思います。
1)洗い物
洗顔料で、PM2.5などの細かい汚れもしっかり落とすよ、みたいな説明をしているもの。
ただし、これはあまり受けてないように思います。女性の場合はクレンジングをするので、それでほとんど落ちると思われているからでしょうか。実際には、研究とかを見ると、非常に微粒子の汚染物質は、意外に肌に残っていることがわかったりするので、怖いのですけど。
2)ガードもの
シールドを張るイメージですが、2タイプあって、膜を張るタイプと、イオン効果で跳ね返すタイプがあります。このあたりも、いずれ詳細にお話ししたいと思いますが、意外に面白いです。
個人的には、糖由来の成分が日光ケミカルズ(原料メーカー)から出ていて、これのメカニズムがわかりやすいし、効果的な印象。糖由来だと、肌への負担も少ない印象ですしね(実際、ほとんど負担がないらしい)。
3)抗炎症もの
肌に入った後で、トラブルを防止するというタイプです。
PM2.5など微小物質が肌に入って炎症を起こすのをガードするというタイプ。特に、こうした大気汚染物質すなわち一酸化窒素など、さまざまな物質で試験をしているものが多く開発されていて、これが一番普及しているように思います。
植物エキス系が多いのですが、抗炎症という効能が医薬部外品効能になってしまうので、機能性を表示できないのがミソ。そんなわけで、日本ではあまり普及していません。
さて、長々と大気汚染対策の話をしてきたのには訳があります。
女性の場合はクレンジングをするので、比較的肌に大気汚染物質は残りません。しかし、雑な洗顔では、けっこう肌に残ってしまうと言われています。そう、男性の、雑な洗顔が問題なのです。
夏は特に肌が脂ぎる季節。皮脂に巻き込まれた大気汚染物質が、雑な洗顔で肌に残ったまま、微小炎症を慢性化させるというメカニズムが見えるよう。
男性の皆様には、ぜひとも丁寧な洗顔を、できれば、週に1回くらいはオイルクレンジングをお勧めしたいと思っているのです。
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