意外に知られていない成分「卵殻膜エキス」のこと

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化粧品開発関連の仕事をしていると、意外に知られていないな、と思う良い成分に当たることが何度もあります。

化粧品にはマーケティングというものが必ず付属しますが、説明が難しかったり、付加価値を付けずらかったりする成分は、なかなか日の目を見ないもの。

そんな一つが今回ご紹介する「卵殻膜エキス」です。成分表示としては「加水分解卵殻膜」になります。

まず、「卵殻膜」とは何か。という話からする必要がありますよね。

これは、卵の薄皮のこと。生卵を割った時、殻の内側に、薄い半透明な膜があるのに気づきますが、これが卵殻膜。

より細かくは、もっと複雑なのですが、まあこの辺で。この膜は、卵のなかで育つヒナを保護し、ヒヨコに成長するまで、外界の微生物などから守る役割をしています。

卵殻膜は厚さ 70μm の薄膜なのですが、とても重要な役割を担っているのです。

私が、この膜のことを知ったのは、もう随分前のこと。たまたま見ていたテレビ番組で、お相撲さんの朝稽古の話をしていた時です。

お相撲さんは、朝から激しい稽古をします。ぶつかり稽古といって、真正面からぶつかって組み合うわけですが、ドーンとぶつかった衝撃で、額の皮膚が切れる(というか、裂ける?)ことがあるのだそうです。

私が見ていた時も、そんな事故が発生し、額に血をにじませた若いお相撲さんがいました。

すると、おかみさんらしき人が、その人の額を水で洗った後、卵を取ってくるようにと側にいた若者に声をかけたのです。

なんで卵??と思ったのですが、おかみさんはその場で卵を割り、別の容器に移すと、殻の内側から薄い膜を剥がし、力士の額に貼ったのです。

貼られたお相撲さんの方も慣れたもので、額に貼られた膜の上からそっと抑えて、これで大丈夫、といった内容のコメントを残されていました。

お相撲さんの世界では、昔から知られた治療法で、こうすると傷も残らず、素早く傷が癒えるのだとか。民間療法の最たるものだと感心したわけです。

そんな、すごい機能のある卵殻膜ですが、これを化粧品原料に応用するには、製造が厄介だったらしく、なかなか一般化しませんでした。

この分野では、パイオニアと言われているのが化粧品会社のアルマードですが、ここが製品を発売したのが2000年に入ってからのこと。

それ以降も、あちこちの製品で使われてはいますが、知名度、使用頻度ともあまりぱっとしない感じです。

まあ、卵殻膜という言葉が、ちょっと重たいというのが一つ。

また、卵の殻の成分と言われてもピンとこないというのが正直なところなのかなとも思います。

でも、その成分の効果はかなりのもの。

知られているのは「創傷治癒」という効果で、これが優れているので、先のお相撲さんの額の傷に使っていたというわけ。

実際、細胞賦活効果とコラーゲン製造増強の作用があり、これが傷を治す手助けをしているようです。

ま、傷を治せるんだから、シワにも効くだろう、というのは予測できる話ですよね。

ということで、卵殻膜エキスですが、使われている化粧品は、あまり多くはありません。

まずは老舗というか、パイオニアのアルマード

まあ、マーケティング的な観点から言うと、満艦飾になった結果、ポイントが見えずらくなってて、ちょっと残念な感じなのですが。

この辺りは、開発者とマーケのバランスコントロールなのですが、どうも作り手の気合が空回りしているように感じてしまいます(と、勝手なことを言ってる・・)。

ま、脱線はさておき

有効成分の一つとしての卵殻膜エキスは、ようやく普及し始めましたが、まだまだ入っている成分は多くありません。

ざっと見た結果、この成分が入っている商品で、比較的手に取りやすいのは、「まかないこすめ」の商品かもしれません。

主成分ではないものの、こちらも成分のラインナップがすごく考えられていて、自然派とかサステナブルを標榜している割に、あれれ?な製品が多い中では、かなりしっかりした部類の製品かなと。

ヤーマンさんといえば、スマッシュヒットを連発する家庭用美容機械の雄ですが、実はミネラルファンデーションを出したりと、自然派の化粧品にも興味津々な会社。

買収で会社が変わって、パッケージが垢抜けたし、今後が楽しみです。

ただ、前の、ちょっとダサカワな感じも好きだったな〜。

あと、オバジのラインナップの中の「オバジX」シリーズにも配合されています。

オバジXシリーズ | Obagi オバジ | ロート製薬株式会社

エイジングに立ち向かう、オバジのワンランク上のベースケアシリーズ。 エイジングサインを感じ始めた肌へ。次世代型プラチナと、コラーゲンを配合した独自処方が、内側か…

もっとも、オバジXの場合は、最近多い満艦飾処方(と私が勝手に命名している)つまり、有効成分てんこ盛り処方で、残念ながら卵殻膜エキスは主成分ではなく、どちらかと言うとペプチドが主成分。

それでも、選ばれている成分はかなりの厳選ぶりで、ローションや乳液としてはかなりのもの。

価格もそんなに高くないので、アルコールが苦手でなければ検討の余地有りかと思います。

最後に、これはまるっきり直球な卵殻膜エキス化粧品として、「たまご美容原液」なんてのもあります。

たまご美容原液 | たまご化粧水cocoegg|公式サイト

卵殻膜エキスを配合したたまご美容原液です。保湿成分がお肌にすーっと浸透し、角質層までしっかり保湿できます。

美容液として発売されていますが、どちらかと言うとこれはちょい足し美容液かなと。

なので、これで終わるのではなくて、化粧水と美容液や乳液の間に「つなぎ」として入れるのが正解かなと思います。

最後に、ちょっとだけ。

卵殻膜エキスは、私自身はかなり期待していますが、やはり効果や安全性には個人差があります。

肌の敏感な人はちょっと気をつけたほうがいいかも。

たまごのアレルギーの人も慎重に。でも、上手に使ったら、かなり良いのでは?と思う成分なのです。


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